ブログトップ

milestone Cafe

yoshiho.exblog.jp

MILESTONE ART WORKSの近況とお知らせです。 

カテゴリ:■ 素敵な人々( 5 )

c0084954_8274875.jpg舞踏家・和栗由紀夫氏の訃報が届きました。新桜町ぎゃらりー時代(1990年に入って間もなくの頃)に企画した美術家・吉江庄蔵氏(被膜彫刻)の展覧会で初めて手がけたアートとライブパフォーマンス「舞踏・和栗由紀夫」コラボレーション。それが和栗さんとの出会いでした。私がギャラリストになって5年目を過ぎ、ようやく市内にいくつかの民間ギャラリーが立ち上がった時代でした。10年間を新桜町ぎゃらりーに勤務しましたが、突飛とのいえる様々なジャンルの企画を実現させていただいたことには大変感謝しています。なかでも現代美術作品と舞踏をコラボレーションさせた展覧会は他に例もなく、舞踏という表現のジャンルを初めて体感した方も多かったと思います。その後、和栗さん(好善社)とのお付き合いは深まり、舞踏公演企画はホールへと移行していきました。1995年・独立し立ち上げたマイルストーンでは「螺旋の夢」、1998年地元の演奏家やワークショップ生とともに1年をかけてつくりあげた県のホールネットワーク事業「舞踏逍遙」など、数々の舞踏公演をともに実現できたことは、富山の人々にとって今でも心に残るシーンとなっていることでしょう。土方巽の「舞踏花伝」をつくりあげられたことも、功績でしょう。以来、もう一度富山で再会できる催しをと、思いつつも実現できずとなってしまいました。和栗さん65歳、19歳で土方巽に師事し46年間の舞踏人生。土方を継承する舞踏哲学と生まれもった美しい身体を生涯ダンサーとしていかしきった。ここ数十年は、学生たちへのレクチャーやワークショップなど、日本の元となる精神性をつたえてくださっていましたね。亡くなる三日前には京都精華大学で「舞踏の現在」と題した舞踏&レクチャーを行っていらしたという。ガンを宣告されてからわずか一ヶ月。モルヒネを打ちながら準備した京都の公演とのこと。なんとあっぱれな、舞踏ダンサーとしての一生でしょう。在りし日の和栗さんが偲ばれます。若くしての旅立ち、残念でなりません。
舞踏家・和栗由紀夫氏のご冥福をお祈りいたします。
[PR]
by ysmile | 2017-10-27 22:37 | ■ 素敵な人々 | Trackback | Comments(0)
昨日は叔父の四十九日法要があった。読経の声もさることながら、ご住職の「お数珠と袈裟」、なかなか珍しいお品だった。故人の本家にあたることで会食の席はおのずと上座、ご住職に一番近くとなりお話のお相手もお役目。その折に「これは?」とお尋ねすると「オリジナル」だった。お数珠はご住職の手製。自ら採取したヒシの実(ご住職用)と国内外で採取した品種の異なる菩提樹の実(若様用)からなり、繋ぐ組紐も自らとのこと。ヒシの実とは、ヒシ(菱 、学名:Trapa japonica)はミソハギ科(クロンキスト体系ではヒシ科)の一年草の水草。池沼に生え、葉が水面に浮く浮葉植物。種子は食用にされる。また忍者が追手の追撃をかわすために撒くまきびし(撒菱)には、難を逃れるということで縁起物とされている(wikipedia)らしい。木の実の採集から仕上げまでには10数年の月日がかけられていた。また、ベーズリー文様の袈裟(若様用)は、お住職がタイへお出かけになった折に求められたタイシルク。お寺の記念法要の折に特注され記念品としてお配りになられてとのこと。このように洒落た袈裟を拝見したのも初めてでした。この首にかけられる簡易袈裟は、法衣にかけられる袈裟を簡略化した形態であり、もともとは袈裟を折りたたんで首にかけられたらしい。ご縁をいただいた機会に私のお数珠を一つお願いした。三回忌までには仕上げることができるだろうか、とのこと。楽しみである。
c0084954_14161570.jpgc0084954_14154770.jpg
[PR]
by ysmile | 2017-02-19 13:48 | ■ 素敵な人々 | Trackback | Comments(0)
c0084954_17325122.jpgc0084954_17323224.jpgc0084954_17315852.jpg女流表具師:出町睦子さん。依頼してあった表具が仕上がり、受け取りに出かけました。「定刻に来るなんて立派ね」と笑顔で迎えてもらいました。着物地や古布をつかった彼女のコーディネートは実に個性的センスが光る仕事です。今回は現代作品を表具していただきました。依頼時の布選び後の仕上がりを確認。OK!一つ仕事終了〜。
写真の愛らしいものものたちは出町睦子さんの作品です。左が直径2センチくらいの小ちゃいお手玉、真ん中は同じ手法で金箔が施されたイアリング、そして右が小さな布を繋げたパッチワーク作品。「最近の小さな作品よ。見せたからにはイアリング一つあげるわ。」これ、いただいたイアリングです。睦子さんのプロフィールを紹介。金沢美大を卒業後(在学中:絵画と陶芸を学ぶ)、独学で表具師に。その後、金箔のタブーといわれる手法を「金箔掻き落とし」として商標登録。近年、この手法を施した布を立体造形し発表しています。平面から立体へ。大きな作品です。現在、大阪丸紅ビルにおいて「鉊珪作?・阿弥陀如来立像」とともにコラボされ展示中。70代後半とのことですが、そうは見えない。自分のやってきたことがようやくひとつになり(作品)うれしいとおっしゃっています。師匠もいないし自由、そして誰にも平等。『あるがまま:来る人拒まず茶と話 今日も直らぬ夜なべ癖 足踏み十分元気よく 寝るのはいつも午前様 ひとり暮らしも十二年 刷毛を手にして五十年』これ私・・・と、額装された自作の句を運んでこられた。来る人拒まず茶と話・・・まったくそうでした。お茶がまたおいしく、お茶うけには「手作りタクアンの刻み」次に「干し柿」。ちょうどお昼にさしかかり「ワッフルと牛乳」、高級食材店の「明太子」つぎに「いくら」。いくらはまだ凍っていましたが、ストーブで少し強制解凍を。高級品はこんなふうに食べる方がいいでしょ、と。彼女もパワフルそしてチャーミング。最後にお手玉のコメントも紹介!『古縮緬、菱形四枚合わせて四合わせ、幸せに。○は月、△は山。縁結びの赤糸をつかって糸継ぎなしで八面形。○月・△山・□宙で思い出を表現しました。』
[PR]
by ysmile | 2012-02-12 19:16 | ■ 素敵な人々 | Trackback | Comments(0)
c0084954_18502025.jpg明日は2月12日。桑野美栄子さんの誕生日。黄色いバラが大好きで毎年50本のバラを贈っていました。部屋中、各地の友人たちから届くバラの香りでいっぱい。「私、しあわせよ・・・」と。彼女と出会ったのは16年前、数年前(85歳?)に彼岸へと旅立ってしまっています。私の人生であのような強烈な個性、鋭い感性をもった女性には、もう出会うことがないかもしれません。ビビッときたら、即、行動(どちらかといえば押し掛ける)。直感的。美食家。料理、着物、パーティ、音楽会、旅行、ワイン&シャンパン・・・好き。マダム。チャーミング。「一流を」。10年の月日・楽しいシーンは笑えるハプニングがつきもので、そういえば花柄の洋服を着る女性は好みではなかったわね。毎年のように世界一周の船旅に出かけ、ある船旅では旅の途中で着物の入れ替えを頼まれ、友人とともにバリ島まで届けたことも。豪華客船が碇泊したのは中心部から車で片道2時間の田舎の入り江。少ない情報で船の姿形も見えない小さな港によくたどり着いたものです。セキュリティーの厳しい客船なのに、押しの一手で我々を乗船。船内を隅々案内し、顔なじみを一人一人紹介。ナガシマとしては、バーではピアノ伴奏による「ムーンリバー」を独唱、プールサイドのバーベキューディナーではダンスタイムに日本人キャプテンとジルバを披露。u.s.aの船だから日本人ほどんどいないし、マダムのリクエストに大サービスというか、、、何事に動じないことを試され、鍛えられました。私の年齢の頃は画廊のマダム(銀座)。MILESTONE ART WORKSをオープンに際して恩師からのご紹介がきっかけ。そのころは病気による引退後でしたね。「私、同業の子ってきらいなの!」からのスタート。短くて濃い時間をご一緒できたこと幸せに思っています。美栄子さんを介して素敵な女性達にも出会い、また自分の日常と異なる世界をちらっと垣間みることができて、思考のベースが広がったように思えます。お葬儀に出かける事ができなかったので、もうこの世にいないという認識ができていないのです。船旅に出かけている・・・という気持ち。だから時折聞こえる「叱咤激励!」「田舎が悪い訳じゃないけどね、精神、田舎者になるんじゃないわよ!」と。明日は黄色いバラとともに。きっと、各地の友人達も同じ気持ちでいることしょう。
[PR]
by ysmile | 2012-02-11 21:17 | ■ 素敵な人々 | Trackback | Comments(0)
c0084954_19274533.jpgc0084954_19272492.jpgc0084954_1927163.jpg作家・山口馨さんのお宅はギャラリーからさほど離れてはいないようで、ビルの向かいにある公園を横切って歩いていらっしゃるらしい。あるときは庭の草花でまとめた小粋なブーケをまたシャレた洋菓子などを持参されたり、服装・持ち物、ふるまい、気遣い等どれをとりあげても一貫した彼女らしさがあらわれていて、フワッとした内からの光を感じるかたです。色の好みは生成り、モノトーン、茶、ベージュでしょうか。爽やか、しかも深みのある雰囲気です。20数年前から時折企画展をみていただいていますが、ゆっくりお話する機会もなかったので近年まで小説を書いていらっしゃることは知らなかったのです。第2回・3回全国同人雑誌最優秀賞[まほろば賞]において優秀賞を受賞し、昨年秋、短編集「風景」が出版されました。すぐにご紹介をと思いながら・・・。お線香をいただいた日、短い時間ではありましたがお話する機会をもてました。お話のなかでいくつかのキーワードが「風景」短編タイトルとかさなっており、かつ私自身もイメージできる共通のキーワードでもありました。忘れないうちに書き留めておくことにしました。[黄八丈][月壷(ゲッコ)]。小説の内容は読んでいただく事にして、二つのキーワードは林屋清三氏関連のお話からの展開です。
[黄八丈]山口馨さんは林屋先生ともお親しいご様子。先生にお会いするために菊池寛実記念 智美術館を訪ねた折、黒にちかい[黄八丈]を着てお出かけになったとのこと。きっと希少価値といえる「黒八丈」なのだろう。今年の2月智美術館へ行きました。閑静な虎ノ門にある美術館は西久保ビルの地下1階にあり、地下におりる螺旋階段が日常と非日常の結界のよう。一段おりる事に現実から時間を超えた世界へ誘い、企画展示室のしつらえも水準の高い構成で壁面素材も暗めのスポットも作品それぞれと自然に向き合える空間になっています。黄八丈で現れた山口さんに林屋先生もたいそう満足されたようで、お話も弾んだことでしょう。そして螺旋階段を降りていく彼女の着物姿を思い浮かべ、きっと似合っているわ〜と。そして[黄八丈」今年の正月、友人から私の手元にも届けられたのです。友人曰く「生前形見わけ。着物わかる人少ないから、着てちょうだい」「・・・縁起でもない」まだ、しつけのかかった品物です。着物好きで目利き。70代半ば過ぎ、現在進行形で新しいお着物が増えています。「普段に着れば」と言われますが私とすれば着下ろすタイミングを考えるわけで、記念にのこるシーンを企画せねばと。
 [月壷]は韓国の白磁大壷。銀閣寺のチャリティー茶会につかわれました。林屋先生は柿伝(東京新宿)において茶の湯同好会茶席の席主をされており、昨年秋のお茶席に[月壺]に薄、山葡萄を生けられました。書院の壁には力強い井上有一の書「月」、床には水鏡にうつる月のような「月壺]。このお茶席の待ち合いの軸には造形作家・松原賢氏の「月盈」が掛けられ、壷に生けられた花材は松原氏アトリエがある那須高原から採取されたものでした。この茶席には出席はできませんでしたが、松原氏から送られてきたスナップ写真が強い印象でのこっていました。今年のお茶席では松原氏が床の掛け物を担っていらっしゃいますので、いずれかのお茶会にはぜひ出席したいと思っています。銀閣寺のお茶会の後、林屋先生からお手紙がとどいたそうです。「井上有一の[喝]はどうだったか?」など・・・。ちょっと立ち話をしただけなのだけどと話しておられましたが、お二人の手紙のやりとりが素敵でした。
 さて「風景」。家族・恋人などの人間模様、土地、季節、植物、風景。山口さんの美的センスでしょう、文章から色彩も豊かにイメージできるのです。白・緑・赤・黄色・青・・・。一つづつ読み終わると内容とタイトルの関連になるほど〜と。そして彼女にとってのお気に入りがタイトルにされストーリーとなっているのかもしれないと。どの話も好きなのですが[金魚]がお気に入りかな。縁日の金魚、すくうよりあの裸電球に照らされた四角い水槽の白さと鮮やかさな金魚の赤、数少ない出目金の黒。その一角がきわだって妙にドキドキしてた。登場人物の心境とちょっとかぶります。話のなかの陰陽の表現も登場人物の個性も、日常の風景の一コマにありそうで、こんな素敵なできごとはやはりなさそうで・・・もあり。
 山口さんとの短い語らいは短編読み聞かせのような時間でした。このほかの興味をそそられた話には、勝手なタイトルをつければ[鯛のおすまし]「おもてなし][寒中の禅寺]など、まだ小説にはなっていないお気に入りのエピソードやキーワードも多々ありそう、そのうち物語になるといいなあと。とりあえずまずは新刊「風景」を読んでみてくださいね。また文芸同人誌「渤海」の出筆もされています。機会があればこちらもお勧めします。
■アマゾン:山口馨 著書「風景」
[PR]
by ysmile | 2011-07-11 19:51 | ■ 素敵な人々 | Trackback | Comments(0)